約築15年の実家を見て思う。持ち家は資産か?
2018/02/18
学会を終えて実家に帰省しているのですが、築15年ほどともなると結構古くなってきたなあと思います。
扉の隙間にはカビが生え、玄関の前は雑草が生い茂っている一軒家を見ると、一軒家を買うという夢は儚いものだなあと思ったりします。
持ち家は資産なのか?
一軒家を買う人はよくこう言います。
「家を持って一人前」
「持ち家は子供に残してあげられる資産になる」
果たして本当にそうなのでしょうか?
家を持てば一人前なのか?
昔は大学生になれば車を買い、家庭を持ったら家を買う、といった固定観念は広く受け入れられていたように思えます。
しかし今は、当時と比べると不況なこともあり、そういう大きな買い物を控える傾向にあるような気がします。
車を買うのは移動に必要な地方民と、それとは別にお金を余らせているボンボン、といったような両極化が進んでいるのでしょう。
そして一軒家もそうです。
最近は不労所得という言葉が流行ってきたのか、新築マンションのチラシはよく見ますが、一戸建ての情報はあまり見かけません。これは東京という特殊な場所にいるからかもしれませんが……。そしてこれも一人前だからマンションを買うのではなくて、不労所得が欲しいと思って買うわけですから考えの移り変わりはありますよね。
関係ないけど管理費とか考えるとそんなに夢の不労所得生活!とはならないと思うけど……まあそれはそれである。
持ち家は子供に残してあげられる資産か?
どちらかというとこっちの命題の方が重要ですね。
まずこの命題の前半。「持ち家は子供に残してあげられる」という部分。
僕の実家を見ていると、約15年にしてだいぶ汚いです。何年か前には屋根が剥がれたとかで騒ぎになり、家の周りには雑草が生えています。使わない部屋はホコリがつもり、それが余計に掃除のやる気をそいで余計に汚くなっていく……。
近所に茶色くなったトタンの小屋が転がってたりしますが、あれだって建てた当初はちゃんと使われていたのでしょう。しかし今となってはあの有様。
結局、建物の寿命って結構短いんだと思います。アパートマンションでも築30年とかになると賃貸価格もかなり下がってますし。
そして今の世の中、地元を出た子供がまた地元に帰ってくるとは限りません。僕も恐らく帰ってこないでしょう。
すると「持ち家は子供に残してあげられる」という時点で既に成り立つとは限らないのだなあと思います。
そして命題の後半。「持ち家は資産である」という部分。
かの有名な「金持ち父さん貧乏父さん」でも言われていますが、資産は自分のポケットにお金を入れてくれるもの、負債は自分のポケットからお金を取っていくものと定義すると、持ち家は持っているだけで固定資産税が掛かるので負債であるという結論になります。
と考えるのならば、持ち家を持つメリットなんてないんじゃないかなあ、と思うわけです。
まとめ
持ち家はもはや人生のひとつのゴール地点とはならないと思います。
資産価値を考えると、これから価値が低下するものに何十年のローンを組んでまでお金を費やすのはナンセンスでしょう。
近年、ノマドワーカーという言葉も流行り出し、「モノを持たない生活」が注目を集めています。
当然、万人がそういう生活スタイルをするわけではありませんが、IT化がさらに進んでいくのならば物質的なモノの価値は相対的に下がっていくのではないかなあとも考えていたりします。
ま、どうなるかなんてなってみなきゃ分からないんですけどね。